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make(integromat)とは?使い方やAPIなどを解説【万能すぎる自動化ツール】

「make(integromat)」は、あらゆる業務プロセスをスマートかつ自動化するための優れたツールであり、その名前通り、インテグレーションのマスターピースです。この便利なツールを開発したのは、海外の会社であり、まだ日本ではあまり馴染みがないかもしれません。

その強みは、複雑な業務プロセスを直感的かつ簡単に構築できることにあります。通常は手動で行っていた作業を自動化することで、業務の生産性を向上させ、時間を節約できます。また、多様なアプリケーションやサービスとのシームレスな連携が可能なため、ビジネスの効率を飛躍的に向上させることが期待できます。

ということで今回は、そんな“make(integromat)”について詳しくお話していきますので、ぜひ最後までお付き合い頂ければ嬉しいです。

make(integromat)とは

make(integromat)はチェコのスタートアップ企業です。また、同社が開発したツールの名前でもあります。効率的なデータフローを構築することで、企業のプロセスを簡素化、最適化、統合します。そして、make(integromat)の1番の特徴はコードを一切必要とせずに自動化を実現できるという点。

一体どういうことなのか。ここで例を1つ。

顧客から、現在のプロジェクトに関する重要な情報やファイルの添付されたメールがOutlookから届いたとしましょう。あなたはそのメールに対して、どのような対応をとりますか?

そのメールを開き、読み、ファイルをダウンロードし、CRMシステムを開き、メールの内容とファイルの両方を手動でアップロードする、という手順を踏んでいるのではないでしょうか。make(integromat)は、あなたが手動で行っているプロセスを自動化します。

メールプログラムをCRMシステムにリンクし、「プロジェクト」という言葉が現れたときなどのトリガーを選択すると、アプリケーション間で情報が自動的に交換され、CRMシステムにアップロードされる仕組みです。

一見すると小さなステップですが、大きなインパクトがあります。IT化が進むにつれ、日々の業務の中で、たとえ数秒、数分であっても、時間をかけて行う小規模だけれど、さまざまな業務に影響し、かつ高度な作業が増えてきています。

このような作業は、自動化によって完全に排除。これにより、顧客とのコミュニケーション、営業、プロジェクト管理、開発など、顧客に付加価値を与える仕事により多くの時間を割くことができるようになるのです。

ツイッターの自動化例
契約書の自動生成例

make(integromat)はどのような仕組みなのか

make(integromat)は、iPaaS(Integration Platform as a Service)アプリケーションです。複数のアプリケーションの統合を、コーディングせずに素早くマッピングできる利便性の高いインターフェースを提供します。

あなたはAPIという言葉を聞いたことがありますでしょうか。APIとは“Application Programming Interface”の略で、簡単に言えば、異なるソフトウェアやツールをつなぎ、互いにデータや情報を通信・交換するためのものです。

make(integromat)では、これらのAPIを簡略化し、「モジュール」と呼ばれるアプリやプロセスを表す小さなシンボルを使って、シンプルでわかりやすいインターフェースに配置していますので、コードの知識がない方でも安心して使用していただけるノーコードツールです。

以下は、make(integromat)で「構築」されるプロセスの一例です。

make(integromat)はさまざまな条件で、トリガーが作動するようになっています。

前述したメールの例では、「プロジェクト」というフレーズを含むメールが、例えばOutlookを通じて送信された仮定のお話をしました。

make(integromat)は、関連するOutlookプログラムを定期的にチェックして、このトリガーを検出し、このトリガーが検出されると、以下のステップが実行されます。

・メールが読み込まれ、顧客データ、メールのコンテンツ、添付ファイルに分離されます

・その後、HubSpotなどのCRMシステムが使用され、このシステムを使って適切なリードを見つけ、メールのテキストと添付ファイルが保存されます

上記は、非常に簡単なステップです。もちろん、さらに複雑で多段階のプロセスでも、このようなワークフローのように自動化することが可能。make(integromat)社が「シナリオ」と呼ぶこのプロセスは、1度ONにすると24時間体制で稼働し、トリガーが確認されるとすぐに開始されます。

自動化による7つの大きなメリット

make(integromat)を使った例をご紹介してきましたが、いかがでしょうか。ここでは、make(integromat)に限らず、“自動化”という大きなくくりでそのメリットについてお話していきます。

1.生産性の向上と生産コストの低減

経済学の観点から言えば、「生産性の向上」と「生産コストの低減」この2つの要素が自動化による1番のメリットといえるでしょう。

第一次産業革命は機械化によって始まり、工業化はその当初から今日の自動化において重要な役割を果たしてきました。より早く、より安く、より一貫した生産を行うにあたり、自動化は最適な手段といえます。

2.効率的な資源配分

電力や水などの必要な資源を作り、加工し、輸送することを改善するために、自動化が役に立ちます。大量の水とエネルギーが浪費されている世界では、これらの資源やその他の資源を最大限に活用するために、自動灌漑システムが不可欠。

また、ERPシステムは、あらゆる段階でのプロセスを効率化することで企業に価値を提供する、ビジネスに欠かせないシステムです。さらに、make(integromat)のようなワークフローを自動化するシステムは、タスクの自動化、迅速なMVP開発、製品の拡張性を可能にし、コストと導入期間を削減します。

3.ヒューマンエラーが起こりにくい

自動化によって人為的なミスのリスクが完全になくなるわけではありませんが、そのリスクを大幅に減らすことができます。中でも、反復的な作業の自動化や、製造業や運転のようなリスクの高い活動(死亡事故の94%はヒューマンエラーが原因)にあると思われます。

4.ヘルスケアの向上

ヘルスケアの自動化は幅広い分野です。特に薬物研究、データ管理、研究室の自動化、医療治療などです。

5.より速く、より安全な物流・輸送システムの改善

・効率的な交通システム
・自動の交通記録装置
・ハイテク通信システム
・自律走行車

移動時間を大幅に短縮し、人や物の流通を改善。ビッグデータは、都市の成長に伴い、環境や健康、全体的な生産性に悪影響を及ぼす通勤時間や交通渋滞の削減に不可欠な役割を果たします。

6.より効率的な廃棄物処理ソリューション

ゴミ問題は早急に対応しなければならない重要な課題です。ゴミを宇宙に打ち上げることが話題になったのを覚えていますでしょうか。

自動化によってゴミの量が減ることに比べれば、それは最善の手段とは思えません。
コンピュータビジョン技術を活用した自動化されたごみ焼却施設、空気式ごみ収集システム、ごみ選別プラントなどはすでに大きな進歩を遂げています。

make(integromat)からのインスピレーション

make(integromat)や自動化についてお話してきましたが、「何を、どこから始めたらいいのかわからない」という方も多いのではないでしょうか。そこで、ウェブ上で公開されている優れたチュートリアル、ケーススタディ、自動化に関する事例を集めてみました。

・文書の中にある古いロゴを新しいロゴに置き換える

古いロゴを新しいロゴに変更するために、会社のロゴのデザインを変更し、数多くの書類やプレゼンテーションを行ったことはありませんか?make(integromat)を使えば、Googleドキュメント内にあるロゴ(画像)を一括で更新することができます。

・クラウドのデータ移行

多くの企業が重要な情報を保存するためにクラウドを利用しています。しかし、サービスプロバイダーがダウンしたり、データが失われたりしたらどうしますか?make(integromat)では、あるクラウドストレージプロバイダーから別のクラウドストレージプロバイダーへファイルを簡単にコピーすることができます。

・さまざまなSNS連携が可能

make(integromat)は、Twitter、Facebook、LinkedIn、さらにはRedditなどの主要なSNSに統合されており、SNSへの投稿を自動でスケジュールすることができます。

make(integromat)を使った自動化ガイド

make(integromat)では、自動化のためのシナリオテンプレートが用意されているので、比較的容易に設定することができます。ここでは、簡単にではありますが、その流れをご説明します。

1.make(integromat)のアカウントを作成してください(完全無料)。無料でもさまざまな機能が使えるのが特徴です。

2.連携させたいサービスのアカウントを作成します。make(integromat)に接続するには、ログインする必要があります。例えば、TwitterやFacebookなどのSNS、チャットワークやSlackなどにも連携させることが可能です。

3.make(integromat)のダッシュボードのテンプレートページに行き、「テンプレートから新しいシナリオを作成する」をクリックします。

4.さまざまなサービスと接続するために用意された数百種類のテンプレートが表示されます。左上の「フィルター」を選択すると、通信したいアプリケーションを検索することができます。

5.シナリオがビジュアルエディターに表示されますので、お好みに合わせて調整してください。

自分でテンプレートを作成することも可能

自分でテンプレートを作成することもできます。流れは以下の通りです。

1.make(integromat)のダッシュボードから、サイドバーにある「シナリオ」をクリックし、「新しいシナリオを作成する」をクリックします。

2.どのサービスと連携したいかを決めます。

3.自分でテンプレートを作成する場合は、ほぼ真っ白なキャンバスが表示されます。クエスチョンマークをクリックして追加したい最初のモジュールを選択し、使用したいサービスやアプリを選択します。

トリガー、アクション、イテレータなど、利用可能なモジュールのリストが表示されます。トリガーモジュールは、シナリオを開始する最も一般的な方法です。たとえば、新しいメールを受け取った時など。

make(integromat)を使う上で、覚えておくと良い用語など

make(integromat)では、専門的な用語が結構あり、最初は戸惑うかもしれません。しかし、複雑なものではありませんのでご安心ください。主な用語は以下の通りです。

・scenario(シナリオ)

前述のように、make(integromat)でマッピングされたプロセス全体を示す言葉です。

・module(モジュール)

プロセスの中でデータや情報を送受信するステップ、アプリ、デバイス、サービスなどのことです。

・router(ルーター)

ルーターとは、プロセスを複数の経路に分割する装置のことです。

・iterator(イテレータ)

イテレータは、要素の集まりをより小さな断片に分割します。例えば、複数の列を持つテーブルを別々の列に分割し、その列を利用して追加の処理を行うことができます。

iPaaSを使い始める際に役に立つ情報を以下のブログでまとめています。参考にしてください。

まとめ

make(integromat)は、手順やワークフローを効率化し、全体的な生産性を向上させるのに適しています。

利便性の高いインターフェイスを持ち、コーディングなしで動作することが可能です。ただ、高度で多段階のワークフローを実現するには、経験とプログラミング能力が必要だと考えています。

そのため、NADJAではmake(integromat)がお客様に適しているかどうかを判断し、お客様の手順をより効率的にするためのサービスを提供しております。

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