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DXを始めるに当たって読むべき記事③API通信の神髄~レガシーシステムとは?~

レガシーなシステムは今後拡張を考えた時に足を引っ張る可能性があります。

レガシーシステムが将来の拡張や進化に制約を生むことがあり、DXを進める企業では新しいアーキテクチャやテクノロジーの導入を検討することが重要です。

古い技術やアーキテクチャは、古いシステムにより構築されているため、新しいテクノロジーや開発手法との互換性が低いことが挙げられます。これが拡張性を制約し、新しい機能や変更を加えることが難しくなります。

DX導入を検討するうえで、考えるべき要点をこの記事ではまとめています。

この記事は「DXを始めるに当たって読むべき記事」解説シリーズの第③段になります。第一弾では「HTMLについて」そして第二弾では「API通信とJSONについて」の紹介でした。今回は、「APIファーストとレガシーシステムについて」解説していきます。

APIファーストとレガシーシステム

サービスを開発し、利用する際には「APIファースト」というアプローチが重要です。これは、サービスの利用や運用において、人が画面を操作するよりもプログラムを通じてAPI通信を中心に据える考え方です。逆に、人の操作やスクレーピング技術だけで操作できるサービスは避け、API通信によるサービスを重視します。このようなアプローチを採用することで、サービスがより効率的に機能し、将来の変更にも柔軟に対応できます。

逆に言えば、人の操作やスクレーピング技術でしか操作できないようなサービスは使わないでおこうという意味にもなります。そういった現状の要件レベルに合わない、遅れたようなサービスは「レガシーシステム」と呼ばれたりもします。

画像マッチングやHTMLを手繰り寄せる自動化が主な古いタイプのRPA(Robotic Process Automation)は、極論を言えば「自動化はしたい」けれども「レガシーシステムを捨ててAPIのある新しいシステムにどうしても移行できない」ような事情がある企業のためのもの、移行までの「時間稼ぎ」のためにある、と言えるかもしれません。

少なくとも、そういった特殊な事情を持たない企業が、5年10年を見越して集中的に投資をする対象ではない、というのは言い過ぎでしょうか?

API通信は情報の”取得”だけじゃなくて”更新”もできる

前回の記事でJSON文字を使ったAPI通信によって自動化開発が圧倒的に楽になると説明させていただきました。

情報の取得については、Webスクレーピングでもある程度できるでしょう。

では、情報の更新となるとどうでしょうか?

普段のウェブ画面で更新をするには、みなさんが普段やっている通り、
ログイン→ボタンをクリック→繰り返し?→必要な箇所に必要な文字を入力・・・

これをスクレーピングの技術でやることも可能といえば可能です。取得の例と同じように入力箇所やボタンなどのHTMLタグを手繰っていくことになります。

が、一大プログラムになることは間違いないでしょう。そして、こちらもデザインが変われば、プログラムもその都度調整していくことになります。

ところが、APIがあると更新するのはずっと簡単に行うことができます。

画像マッチングによる自動化の恐ろしさ

ここで、筆者のRPAによる開発で味わった苦い実体験を共有させていただこうと思います。

とある会社の基幹システムに毎朝アクセスしてCSVをダウンロードし、それを別のシステムに反映させる、というPC操作のフローの自動化をRPAで開発しました。

ある日、エラーが起きていて、原因を確認したところ、なんと、デスクトップの背景が自動で変わっていたために、「基幹システムのアプリケーションのアイコンをダブルクリックする」という操作に失敗していたのです。

もちろんこういったエラーを回避する方法はいくつかありるのは後で学んだのですが、同様な失敗は例えば「アプリケーションのロゴが変更された」、「アイコンの位置が変わった」というだけで起こり得るものです。

関連記事は以下よりご確認ください。

まとめ

今回の記事のまとめは、「APIファースト」

これとあえて過激な言い方をすると「レガシーを捨てろ!」につきます。

SaaS管理のサービスであるメタップスクラウド様の2020年12月時点での調査によると、

国内の企業1社あたりのSaaSの利用数は、8.7個

アメリカ国内の平均SaaS利用数は、80個という調査結果もあり・・・

その調査の中にある5年前のアメリカ国内のSaaS平均利用数と現在の日本国内で利用されているSaaS利用数が同等となっている、とのこと。

つまり、今後国内企業で益々SaaSの利用が拡大することが予測されています。

そんな中で、利用するサービスを選定する際のキーワードとしてぜひ覚えてください。

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