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iPaaSが基幹システムの代わりに?効率的な基幹システムのリプレイスが可能な理由を紹介!


近年、企業が老朽化した基幹システムを更新する動きが活発化しています。本記事では、注目のテクノロジーであるiPaaS(Integration Platform as a Service)を紹介しつつ、基幹システムのリプレースにおけるメリット、必要性、そして潜在的なリスクについて詳しく解説していきます。

そもそもとiPaaSは?

iPaaS(Integration Platform as a Service)は、クラウド統合プラットフォームとして注目を集めるサービスです。SaaS同士やSaaSとオンプレミスをシームレスに連携させ、データを効率的に取り扱うことができます。

SaaSの増加によりアプリケーションの利便性は向上しましたが、複数のクラウド上のアプリケーションが点在することで、アプリケーション間でのデータ受け渡しやデータ管理が複雑になりました。また、オンプレミスからクラウドへのデータ移行も手間とコストがかかります。

iPaaSはこれらの課題を解消し、アプリケーション連携を迅速かつ効率的に実現します。APIを活用するため、プログラミングスキルが不要であり、異なるシステム間でのデータ橋渡しをスムーズに行えます。

例えば「Salesforce.comの受注情報をSlackのカレンダーに通知する」など、iPaaSはシステム間のデータ橋渡しを担当します。企業が複数のSaaSを利用する中で発生するデータ連携の必要性に応え、特にSaaS間の連携を強調しています。

システムやデータ連携の容易さを提供するiPaaS(Integration Platform as a Service)を導入することで、業務の効率化やコスト削減など、その利点は計り知れません。新しいテクノロジーを活用してビジネスプロセスをアップデートし、競争力を高める一環として、是非、参考にしてみてください。

基幹システムをiPaaSにリプレースするメリット

iPaasを活用しながら、基幹システムをリプレースすることには、どのようなメリットがあるのでしょうか?それは以下の通りです。

・基幹システムをシームレスに繋ぐ

独立していた基幹システムをAPI連携することで、システムごとで行っていた作業を自動化して業務の効率化が図れます。例えば、「販売管理システム」で受注した内容を「会計システム」と連携して、これまでメールや書類などで共有していた作業を自動的に共有できるようになります。

・データ分析にも使える

点在していた基幹システムをiPaasで連携することで、他部署とのデータ共有も容易になります。結果として、現在の会社の業績などを多方面から分析することできるでしょう。データの一元管理で、これまで見えていなかった課題も浮き彫りになるかもしれません。

・コスト削減

iPaasを効果的に導入することで、当然のことながらコストの削減に繋がります。システムごとで行っていた作業、データ管理などが自動化、一元管理できるため、そこに割いていた労力、時間を短縮でき業務の効率化が図れます。

また、データ移行のために新たなプログラムを導入する必要もありませんので、その分のコストを削減できます。

基幹システムのリプレースは必要なのか?

そもそも、現行システムをリプレースする必要性はあるのでしょうか。

経済産業省では、2019年に「DXレポート」を発表して、現行システムをリプレースしない場合、システムの老朽化、ブラックボックス化などによる以下のリスクについて指摘しています。

・蓄積されているデータを活用できない

・老朽化したシステムのセキュリティ面でのリスク

・IT人材の不足

・蓄積されているデータを活用できない

近年は、IT技術が向上しているため、多くの企業で利便性が高いアプリケーションを導入しています。そして、いろいろなアプリケーションが増えるにつれて、データ量も増加していることでしょう。

そのため、データ管理にも時間を費やすこととなり、ほしいデータを取り出すだけでも苦労しているのではないでしょうか。DXレポートでは、蓄積しているデータを有効に活用できず、その影響は企業のDX化を妨げる要因にもなると指摘しています。

・老朽化したシステムのセキュリティ面でのリスク

管理が困難になっているシステムは当然、セキュリティ面においてもリスクがあります。日々、便利なシステムが開発されていますが、不正に企業内ネットワークに侵入するハッカーの手口も巧妙化しています。

次の項目でも解説しますが、既存システムを理解している人材も今後、減っていきますので、システムのメンテナンスが行き届かなくなれば、新種のウイルスを防ぐためのセキュリティ対策も手薄になります。

・IT人材の不足

DXレポートでは、IT人材についても警鐘を鳴らしています。既存システムを開発してきた人が定年退職を迎えることで、老朽化したシステムを理解している人材がいなくなり、システムの「ブラックボックス化」が起きていることを指摘しています。

「外部にメンテナンスを依頼すればいいのでは?」と考えるかもしれませんが、日本では、基幹システムを企業の業務に合わせてカスタマイズする風習があることも、既存システムがブラックボックス化している1つの要因となっているのです。

参考:経済産業省「DXレポート」

基幹システムのリプレースにリスクはあるのか?

では、基幹システムのリプレースにリスクはあるのでしょうか。それは次の通りです。これらについて事前に考えておくことで、基幹システムのリプレースによるリスク回避に繋がります。

・事業方針の見直し

・基幹システムを使用する社員の理解

・会社に合った基幹システムの選定

・事業方針の見直し

まず、あなたの会社はどのような事業方針のもとで、経営していくのか考える必要があります。同時に、現在抱えている課題は、どのようなものがあるのかも把握しておきましょう。基幹システムをリプレースする際は、これらの方針のもとに会社に合ったシステムを導入していくことが大切です。

・基幹システムを使用する社員の理解

システムを使用する現場社員の理解を得ることも、リスク回避に繋がります。

実際にシステムを使用する社員は、現行システムに慣れているため全ての社員がシステムの刷新を求めているわけではないことを念頭に入れておきましょう。そして、基幹システムをリプレースすることによるメリットとデメリットをしっかり伝えることが大切です。

「デメリットを伝えると、反対されるのでは?」と思われるかもしれませんが、これは「押し売りしてくる営業マン」を想像していただくとわかりやすいかもしれません。

営業マンは、商品の優れている点をいくつも説明してくれるのですが、あなたはそれを聞いていて、相手を信用できると思うでしょうか?反対にメリットばかり言われると、どこか「胡散臭い」と感じるはずです。

社員の理解を得る時も同じです。メリットばかり伝えていても理解を得られるどころか、社員の疑念が深まるばかりになってしまいますので、敢えてデメリットも伝えることも大切です。

・会社に合った基幹システムの選定

基幹システムは、それを提供するベンダーによって、特徴が異なってきます。ベンダーにも得意・不得意があるのですね。ですから、上記で洗い出した事業方針や経営課題からあなたの会社に合った基幹システムを導入することが重要です。

また近年は、基幹システムのクラウド化も注目されていることから、あなたの会社では「クラウド型基幹システム」が良いのか、または「オンプレミス型基幹システム」が適しているか、両者のメリット・デメリットを考慮して選定しましょう。

どうしても決断できない時は、相談に乗ってくれるベンダーもいますので、まずはベンダーと話してみることをおすすめします。

基幹システムとERPの違い

基幹システムについて考える際に取り上げられるものとして、ERP(Enterprise Resource Planning)があります。日本語では、「企業資源計画」と呼ばれています。両者は同じシステムとして考えられがちですが、それぞれは異なる役割があります。

ではどこが異なるのでしょうか?それは、以下で解説している通りです。

・基幹システム

  ・販売管理システム

  ・購買管理システム

  ・在庫管理システム

  ・人事給与システム

  ・会計システム

これらは会社の主要業務を担うシステムであり、それぞれのシステムが独立しています。そのため、システムを使用する各部署の業務の効率化を目的としていますが、全体の企業の改善を目指すものではありません。

例えば、基幹システムの一つである「在庫管理システム」を刷新したとしましょう。システムの強化で利便性が向上したとしても、それが直接的に企業全体に与える影響は限られます。

・ERP(Enterprise Resource Planning):企業資源計画

一方でERPでは、日本語の通り、企業の資源を最適化する目的があります。1つのシステムで「販売管理」や「会計管理」などのシステムをバラバラに管理するのではなく、会社の基幹となる上記のシステムを統合管理することができます。そのため、販売や会計などのデータの受け渡しがスムーズに行うことができます。

これらの特徴からデータ管理だけでなく、データの連携が容易なことから、会社の経営方針の見直しや課題の洗い出しなど、経営面においてもシステムを活用できるのが特徴です。

まとめ

本記事では、iPaasを活用しながら基幹システムをリプレースすることのメリットなど解説してきました。

iPaasを活用することで、これまで以上に業務がスムーズになり時間、コストを削減できるのではないでしょうか。しかし業務のIT化が進む一方で、老朽化したシステムをいかに刷新していくのかが、日本企業において喫緊の課題と言えますので、事業の安定化に向けて本記事を参考にしていただけましたら幸いです。

当社では、データ連携のiPaaSを代表とするmake(Integromat)の導入支援やアプリ開発に関するサポートも行っております。基幹システムのリプレースに関しては、お気軽にお問い合わせください。

以下の記事では、iPaaSの導入方法、特にmake(integromat)の導入に関して詳しく紹介しています。

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