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iPaaSって何ができるの?iPaaSの活用方法を初心者向けに解説します

近年少しずつ話題になっている「iPaaS」という言葉をご存知でしょうか?

iPaaS(Integration Platform as a Service)は複数のサービスを連携させ、データの効果的なやり取りが可能な技術です。具体的な業務自動化において、「サービスを繋ぐ」機能では各サービスのAPIを利用して連携し、例えば顧客情報の取得・送信が可能です。また「データの定期的な取得・同期」などの活用方法、ツールの選び方についてもこの記事で紹介しています。

iPaaSとは?

iPaaS(Integration Platform as a Service)とは一言でまとめると「外部のサービス間のデータのやり取りができるプラットフォーム」です。iPaaSの中に含まれる”Integration”とは日本語で”統合”という意味になります。

つまりサービスとサービスを統合できるプラットフォームという意味でIntegration Platform as a Serviceという言葉を略してiPaaS(アイパース)と呼ばれています。

iPaaSは近年COVID-19の影響もあり、自動化やリモートワークの整備を実現するために、多くの企業で導入されています。その市場規模は2026年までに139米ドルに到達すると予想されており、近年最も注目されている技術の1つです。

iPaaSを使ってできること

iPaaSでは複数のサービスの間でデータのやり取りができる技術であると紹介しましたが、それだけでは具体的にどの

ような業務が自動化できるのかイメージが付きにくいと思います。

そこで、iPaaSの仕組みとiPaaSを使ってできることを2つに分けてまとめます。

・サービスをつなぐ

iPaaSの最も大きな機能として「サービスを繋ぐ」機能があります。

その仕組みは、様々なサービスが提供しているAPI(Application Programming Interface)という機能を使って連携しています。

例えばサービスXのAPIからXの顧客情報を取得し、サービスYのAPIに入力することでサービスXの顧客情報をサービスYに取り込むことが出来ます。

現在iPaaSではサービス間の連携が可能なツールが増えてきているので、ぜひ使用しているツールが対応しているか確認してみましょう。また、「ツール名 + API」でGoogle検索を行うとサービスがAPIを出しているかわかるので、APIを出している場合はiPaaSを使った自動化が少ないコードでできるのでお確かめください。

・データの定期的な取得・同期

iPaaSの2つ目の機能として、「データの定期的な取得・同期」ができる機能があります。ほとんどのiPaaSツールではスケジュール機能があり、定期的に情報を取得・送信できます。

例えば、毎朝9時に「おはよう!」というメッセージを送る自動化を作る時には毎朝9時という設定が可能です。また、曜日指定も可能なので、月曜日から金曜日までの間のみ送信して、休日は送信しないというカスタマイズも可能です。

頻度が多い自動化の場合は、10分毎に情報の取得・送信も可能です。例えば、10分毎にウェブサイトのPV数を取得して記録したい時などに有効です。

データ連携ツールでできることについては他の記事にもまとめています。

よく聞くRPAとの違いとは?

自動化や効率化について調べている時に一番よく見るのが「RPA」だと思います。RPAとはRobotic Process Automationの略です。

RPAとiPaaSの主な違いとしてはRPAがパソコンの画面の操作やキーボードの操作を自動化して情報を取得・送信いるのに対して、iPaaSはAPIを使ってサービスの情報を直接サービス自体から取得・送信している点にあります。

・iPaaS&RPAの得意分野と苦手分野

分野iPaaSRPA
得意分野・APIからデータを取得するため、サービスのデザインなどに関係なくデータを取得できる
・高速なデータのやり取りができる
・クラウドで管理し、共同開発ができる
・サービスの画面(GUI)からデータを取得するため、ITの専門的な知識が少なくてもRPAシステムを作成できる
・APIがなくてもデータを取得可能である
・オンプレミスサービスに対しても連携可能である
苦手分野・APIが提供されていないサービス(企業の独自開発した社内システムなど)とは連携ができない

・海外製の製品が多く、日本語の情報が少ないことがある

・複雑なシステムを作る時に、専門的な知識が必要になる可能性がある
・サービスの画面(GUI)が変更される度にRPAシステムを修正しなければならない
・データの取得、入力が低速である
・製品によってはクラウドで開発できない

iPaaSとRPAを比較した時に、クラウドのサービスを中心に使っている企業であればiPaaSでの自動化開発が向いています

オンプレミスのサービスや独自開発したサービスを使用している企業ではRPAでの自動化が向いています。

iPaaSもRPAも多くの自動化を実現できます。

どちらも使用できる状況であれば、サービスの画面(GUI)の変更に対して毎回修正しなければならないRPAよりも、一度裏側(API)経由でデータを取得する設定を行えば修正が不要なiPaaSの使用をオススメします。

iPaaSツールの選び方

iPaaSツールはAPI連携が可能な状況であれば、積極的に自動化するために導入すべきだと述べましたが、どのiPaaSツールを選べばよいのか迷ってしまう方が多いと思います。

そこで、まずiPaaSツールの種類とどのような特徴の違いがあるのかを紹介していきます。

・国内製or海外製

iPaaSツールは国内製の製品は少なくほとんどは海外製で多くの情報は英語で記載されています。国内製の製品は基本的な機能が中心で、複雑な開発やカスタマイズには適していないことが多いです。

しかし、日本語のサポート体制が整っているため、簡単な自動化を日本語で問い合わせて確実に作れるようになりたいという方には良いと思います。

使い始めてしばらく経ってからカスタマイズや機能の追加をする際には不十分に感じてしまうこともあると思います。

海外製の製品は多くのクラウドサービスに対応し、基本的な自動化から、一部のみコードを追加してカスタマイズすることができる製品が多いです。そのため、社内に開発経験がある方がいらっしゃる場合は海外製の機能も使いこなせる可能性が高いので最初から海外製の製品を使用することをお勧めします。

万が一、海外製の製品を導入してサポートが必要な場合は、株式会社NADJAで海外製データ連携プラットフォームのmake(Integromat)のレクチャーや開発代行、チャットでのサポートを行っておりますので、ぜひお問い合わせ下さい。

・サービス連携に対応している種類

iPaaSツールではツールごとに対応しているサービスの種類と数が違います。そのため自動化の連携をしたいサービスが連携対応しているサービスなのかは、iPaaSツールを選ぶうえでの重要事項です。

Googleで「(iPaaSツール名)+対応サービス」と検索すると、どのサービスに対応しているのか一覧で説明しているページにたどり着くことができると思います。iPaaSツールに契約する前に社内で主に使っているツールが対応しているのか確認しておきましょう。

・料金

iPaaSツールには大企業向け、中小企業向け、個人向けなどの対象によって、月額でかかる金額が大きく違います。

特に大企業向けのiPaaS製品であれば、毎月数十万円必要なツールもあります。

中小企業や個人向けの製品では毎月数万円程度の価格帯で利用可能です。

特に、make(Integromat)というツールは無料でも多くの自動化が作成でき、最も安い有料プランも月々$9(1000円程度)で利用可能なツールなのでとてもオススメです。

・カスタマイズ性

カスタマイズ性についてはツール事に完全にノーコードのみで指定の方法のみで開発する初心者向けのツールと、ノーコードと一部コードを組み込むことができる初心者&中級者両方に向けた製品の2つがあります。

iPaaSを使って自動化をする場合には、使っているうちに細かいカスタマイズをしなければならない場面が出てくることが多いので、iPaaSを使いこなすためには初心者&中級者の両方に対応したツールを選ぶことをオススメします。

iPaaSを使ってみよう

iPaaSの中には無料のプランが提供されているものもあります。例えば以下の3つのサービスについては無料プランが提供されています。

  • Zapier
  • Make(Integromat)
  • IFTTT

3つの中でも特にMake(Integromat)は無料プランでも毎月1000回アプリを使ってデータを取得・送信が可能です。

例えば、毎日Gmail を Google Sheetに転機する場合はGmailをまとめて取得し(1実行)、Sheetに記入(1実行×メール数)するので、毎月1000回の実行でも十分です。

無料の範囲で自動化をとりあえずして見たいという方はMake(Integromat)をお試しください。以下のリンクより無料でお試しください。

make.com
※注意:アフィリエイトリンクを含みますがテスト用に1か月分のプロプランを無料でご利用いただけます

初期設定の方法やMake(Integromat)を使った簡単な自動化事例は以下の記事からご覧ください。

まとめ

今回はiPaaSについての概要を紹介しました。iPaaSは短時間の開発で様々なサービスに対応した自動化を作成することができる便利なツールです。

今まで時間をかけていたコピー&ペースト作業を無くし、別の作業の時間に充てることができるようになります。開発の詳しい知識がなくてもドラッグ&ドロップで自動化システムが作れるのでぜひ挑戦してみてください。

株式会社NADJAでは、データ連携プラットフォームの導入支援をお手伝いさせていただいております。お気軽にこちらよりご相談ください。

以下の記事ではiPaaSやmake(integromat)の導入方法についてまとめています。導入をご検討中の方は是非ご覧ください。

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